子どもたちを無気力、無感動、無関心から助け出そう!

数年前に鹿児島市のある小学校を訪問した時に、校長先生から途上国の子供の生活についてお話をして欲しいと頼まれました。私は校長先生に、1つのバケツに水をいっぱい入れて持って来てくださいと頼みました。私は子どもたちの前に立ち、質問しました。 「この水の入ったバケツを手に持って、校庭の花壇に持って行って花に水をかけてくれるボランティアはいますか。」
すると数人の男の子と女の子が手を挙げて、
「やりたいです。」
と元気よく言いました。そこで一人の男の子にお願いすると、女の子の一人が言いました。 「一人で行くのは大変だからお手伝いしたいです。」
と言いました。
日本の都会で育つ現代の子どもたちはバケツで水を運ぶ体験を殆どしていません。ですから、このような体験をするチャンスがあれば、やってみたくて身を乗り出します。でも、平和でない国や貧困国では子どもたちはバケツで水汲み、そして数キロを歩くのが彼らの仕事です。反対に彼らは水汲みの仕事よりノートと鉛筆をもらって勉強したいのです。普段できない体験をしながら学習することによって、心に感動を覚え、やる気や気力が増長し、記憶力もアップするという研究結果が報告されています。
最近では子どもたちの無気力、無感動、無関心が増え、人の心を感じ取る能力が十分育たないという現象が出ているようです。そのような子どもは国語の教師を今悩ませているのです。課題文にある「バスに乗って出稼ぎで遠くに行ってしまうお父さんを見送っていると胸がジーンとして来た。」を読んで、この人物の心の中にある悲しい気持ちを感じ取れない子どもが急増しているという報告がされています。そのような時に体験を通して学習する機会を増やし、子どもたちの関心力や気力を増加させ、学力も伸ばして行けますよういつも願っております。